【女子】最初の数ゲームで全てが決まる。ジョコ敗退

From バレンシア  テニスVAL ディレクター

パンチョ・アルバリーニョより

 

質問:
いつも試合になると
立ち上がりが悪く、エンジンがかかるのが
とても遅いのです。

特に女子の選手はミスが少ないので
簡単に流れを失ってしまいます。

試合の序盤に行うべきプレイはありますか?

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回答:

試合では最初の3、4ゲームが
とても重要です。
これはプロでもアマチュアでも同じです。

特にアマチュアはセット数が少ないため
スタートを失敗すると、簡単に
一方的な展開になってしまいます。

特に女子の選手は感情的になりやすい
選手が多いため、序盤のゲーム運びはとても大切にしていました。

私は世界ランキング元1位の
サフィーナや、現ダブルス世界ランキング1位の
エラーニなどを見てきましたが

彼女たちのレベルですら
試合前に緊張しすぎて
最初の3、4ゲームが上手くいかないことが多いです。

男子はエキサイトする選手が多いですが
女子は反対に緊張しすぎる傾向があります。

もちろん緊張しているときは足が動きません。

しかし、ゲームが進行していくにつれ、足も動き
腕も振れるようになってくるので、
序盤は集中力を高め、スーパーショットを
狙わないようにすることが大切です。

ミスをしない堅実なテニスをしながら相手の様子を伺いながら
相手はミスをする選手なのか判断します。

相手がミスをしない選手だとわかったら
アグレッシブなテニスに変えていきます。
自分のベストなプレイを考えるのではなく

相手の分析に時間を費やすのです。

相手の分析に時間を費やすと
自然と視野が広がり、落ち着いてきます。

緊張は多くの場合
自分が過度に期待したりすることによって発生するので
視野を外に向けることが大切です。
また、最初からウィナーを打とうとして
乱暴なテニスをすると、相手が強いほど
挽回するのが難しくなります。

一気に流れが相手にいってしまい、簡単にやられてしまいます。

もちろんチャンスボールが来たらアタックしますが
序盤にするべきことは
まずは相手に何球も打たせて

フィジカルとメンタル面を観察してみてください。
相手の弱点がみえて
自然と落ち着いてくるでしょうね。

 

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【パンチョ・アルバリーニョ】

現テニスVALアカデミーディレクター
兼女子ヘッドコーチ(1998年から現在)

元スペインフェドカップコーチ(1983年から1992年)
ワールドフェドカップ優勝(1991年)
元スペイン女子オリンピックチームヘッドコーチ
(バルセロナオリンピック1992年)

追伸

モンテカルロ・ロレックス・マスターズ2016において
第一シードのジョコビッチが初戦敗退という波乱がありました。

その相手がこちらの相手です。

 

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フェデラーも基本的には常にワンパターン

From   ホゼ・アルツールより

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(※一部読みやすいように前後の説明を入れて
日本語的に翻訳をしています。)

スパニッシュテニス第2弾
Disc6収録
ディフェンスについて

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質問:

同じパターンの繰り返しだと
相手に読まれているか心配です。

攻め方がワンパターンになってしまうので
どうしたらプロのように
バリエーションが増えるのでしょうか?

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回答:

プロは引き出しをいくつも持っていますが
実際に使用するのはほんのわずかで

ジョコビッチもフェデラーも基本的には常にワンパターンです。

ナダルのセカンドサービスも
錦織のバックのストレートも

他の選手たちはいつ、どのタイミングで
打ってくるかをほとんどの選手は知っています。

サーブは別ですが、その他の所とは
予測は、できているケースが多いのです。

知っているけど、相手はそのパターンの
専門家なので、解決する手段がないだけです。

ウィンブルドンでフェデラーがバックのスライスを打ってくることを
ナダルは知っていますがナダルはバック側に集めます。

予測をされて、先回りされることを
恐れるより、自分の「するべきこと」

を明確にすることが勝負において大切なことを
トッププレイヤーは知っています。

これがディフェンスの基本的な考え方です。

よくないプレイヤーは常に相手がすること
ばかりを考えて不安になっています。

しかし、良いプレイヤーは自分がするべきことを明確に知っています。

ただ相手がどうであっても

「じぶんがするべきこと」

それだけに集中します。

それが試合では一番大切であり一番強いのです。

それができるプレイヤーは
常にやるべきことがクリアで頭の中はスッキリしているのです。

だからミスが少なく
その得意とするパターンでやられたとしても切り替えができるのです。

相手に予想されるとか、ワンパターンであるとか。

ロブを上げてはいけない、
アタックしないと逆に打たれるとか。

そうやって、難しく考える時点で相手のペースに
はまっているのです。

もう一度言いますが、ディフェンスとは
相手がどうするのかではなく

自分が何をするかを明確にすることです。

ロブをあげるとか、スライスショットを打つとか
確率の高いショットを選ぶとか、そういうことではありません。

考え方をクリアにすることで
ミスを減らして、いつでも攻める状況を作るための

特別なアタック以外のボールを
私はディフェンスというのです。

今回はそのプロが行っているいくつものノウハウを紹介しました。

スパニッシュテニス
ディフェンス編 ディスク6より

 

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