ズバリ言うと、テニスは「アンフォーストエラー(ミス)」を減らす競技なんだ。
実際、プロの試合でも、エースよりミスのほうが多い。
一般プレイヤーの試合だと、ほとんどがミスでポイントを失うよね。
だから、試合で勝つためには、ミスを減らすことを追求せねばならない。
つまり、必然的に、ディフェンス中心のテニスになるのさ。
シンプルだけど、これが「勝てるテニスの正体」だよ。
大切なことだから、もう一度いうけど「守備8割」「攻撃2割」 がプロの感覚。
プロは、ミスを回避するために高いボールを打ち、回転をかけて打っている。
しかし、ランクが低い選手やジュニア選手であればあるほど
守備のクオリティが低く、「守備4割」「攻撃6割」になってしまっている。
一般プレイヤーになると、この比率はより
守備が低くなり、攻撃が高くなっているのさ。
多くの一般プレイヤーが、フェデラーやジョコビッチが
ここ一番で打つビッグショット(攻撃)を追い求めている。
それが悪いとは言わないよ。
でも、多くの一般プレイヤーが、プロのようなビッグショットを
連続で打とうとして、自滅を繰り返しているのも事実…。
プロの世界でも、若い選手や早いラウンドで負けていく選手は、
「守備8割」という、テニスの本質を理解していないが、これは本当に残念。
思いだしてみてほしい。
「今日はウィナーを○○本とった。」と話している
トッププロのインタビューを聞いたことはあるだろうか?
おそらくないよね。
実際、そういった回答をするプロはいないよ。
プロは必ずミスに対して、かなり神経質になっている。
これが「勝てるテニスの本質」であり「シンプルな答え」。
試合で相手が恐れるプレイヤーとは、アタックを打ち続けるプレイヤーではない。
本当に怖いのは、なんでも返してくるプレイヤーさ。
つまり、壁。
あなたにも経験があるかもしれないが、「打っても、打っても決まらない…」
「どんなボールも通用しない…」という相手が、テニスでは一番怖いんだ。
試合が進むにつれ、相手は士気をゴッソリ奪われてしまうからね。
つまり「どんなボールも返すディフェンス」が「最強のオフェンス」なのさ。
そして、この原理原則こそが、スペインテニスのすべてだよ。
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ハッとさせられました…
「ミスを減らす」という考え方そのものが
プロとわたしたちでは、まるで違うということです。
わたしたちがイメージする「ミスを減らすプレー」は、「当てるだけで返す」
「スライスで返す」「ロブで返す」「しこって、つないで勝つ」というものばかり。
プロが意識する「ミスを減らすプレー」とは、
「普段から打っているボールの質を高めること」であり、
何度打っても確実に入る、安定的なボールを作ることだったのです。
つまり、わたしたちが、もうワンランク上のステージに行き、
試合で勝ち続けるようになるためには、何をどうすればよいのか?
まずは全体の80%を占める
「安心確実なディフェンスボール」を作ること。
次は、残りの20%である、攻撃力を身につけること。
このシンプルな原理原則こそが、プロのようにプレーするための正しい答えだったのです。
「なるほどね!」と感心しているわたしたちをみて、ホゼは、少し心配した顔で話を続けました。
ちょっと待って!
考え方を変えるだけじゃ、まったく意味はないよ!
なぜならば・・・
・・・
つづく